活動記録


 

新年会稲門紳士語録

2000年に語る


 

冬の夜空を彩る20発の花火とともに、長岡にも2000年が到来しました。心配されたコンピータ誤作動も、関係者の尽力とオブチサンのパフォーマンスのおかげか、無事クリアーし、いよいよ長岡稲門会恒例の新年会の3日を迎えました。ここ、かも川別館の大広間からの中継でお送りします。それではスタートです。

 

 すでに会場には、ミレニアム記念写真を撮影するため、ニコニコ写真館岩淵先輩が助手を連れてスタンバイしている。某がジロジロと二人の顔を見比べていると、写真館氏観念したかのように、「高専在学中の息子です。ミレニアムに失敗するわけにいかないんで・・・」とこぼれるような笑みで紹介する。ところがこの二人、叔母さんの葬式帰りだという。「それは大変でしたね」と言いかけたが、ミレニアムに免じて許していただくことにする。

 さて、続々と稲門紳士が登場する。五十嵐事務局長謹製の出席者名簿も、今回は式次第、欠席者コメントまでついて、気合いを感じさせるに十分である。出席予定者31名は、昨年比1名増、一昨年比3名増と、ミレニアムには物足りない感もあるが、若手が多いようだ。ちなみに某の位置が、昨年の下から3番目から9番目に上がっている。喜ばしいことではあるが、大先輩が少ないのはキリスト教に無関心なせいか? 結局、若干のキャンセル、飛び入りがあり33名の出席となる。

 定刻の4時になり、ミレニアム記念写真の撮影。「あぐらですか? 正座? 正座なら尻当て下さい」などと、真ん中でおなじみの声がする。さては年寄り膝か、と皆が喜々として首を伸ばすと、涼しい顔で応戦する。「膝が痛いんじゃないんです。若い時から西洋式で生活してたんで曲がらないんです。外人と同じなんです。しゃれてるんです」転んでもただでは起きぬという言葉もあるが、座るんでもただじゃすまない人だ。

 いよいよ原会長、開会のあいさつ。剣道会の報告から始まり、駅伝、県支部大会、早稲田125周年事業と話題をつなぎ、「出るスポーツは全て勝つ!」と華々しく歌い上げる。但し、「巨人のように集めるだけではダメ、正々堂々と勝つ」と念をいれるところはさすがに『自ら求めず、自ら計らず』を宣言するだけのことはある。(長島さん、最近評判よくないですよ。おねだりチョーさんなーんてね)

 上原幹事長の全方位ヨイショあいさつ、大地会計幹事の財政再建宣言に続いて、土屋副会長による乾杯。「今年は言葉少なに、かわらばんのネタにならないように」などと始めるが、「ミレニアムベビーの誕生を期待していたら雅子さんが亡くなって・・・」と驚きの発言。コンピューター誤作動とからめた一流のジョークだなんて、わかってもらえるかどうか。

 

 さて、しばし歓談の後、太田県議(太田修先輩、S46社会)のあいさつ。「39票差で県議選に当選し、市長選では除名覚悟の大立ち回りで勝ち、自民党を出されたり戻ったりと、いろいろあったが、喜びと怒りと元気の年だった。競馬も選挙も時の運。私には運がついている」などと怪しげに切り出す。おなじみの映画論では、『ジャンヌダルク』を推薦。「英雄待望の時代だ」と結び、返す刀で、「今年は辰年。河井継ノ助は蒼竜と呼ばれていたが、私も竜になりたい。竜が雲になるか雨になるかはわからないが・・」やっぱり太田ヘルメット氏は何をしでかすか。今年も目が離せない。

 続いては桜井市議会議長(桜井守先輩、S37法)。「名誉と誇りを大切に、まわりを傷つけずにやっていきたい」と堂々の宣言。「市長選のしこりがあるが、市民のわからない感情が先行して、予算が決まらないということではダメ」「早稲田大学の名誉を傷つけずに感張る」と桜井殿下のど真ん中ストレートが、ズバッとミットに収まった。

 宴たけなわとなったところで、初出場の面々が登場。一番手は、この日が誕生日の正月男、大谷壽正先輩(S45理工、北越メタル)。名前も正しく正月男。おめでたそうというには、この唯一の理工卒氏はダンディだが。「秋のゴルフでは足を引っ張ったが、春はガンバル、スキーにも挑戦したい」と元気なあいさつ。

 2番手は柿沼昌充先輩(S55法、日本火災海上)。年末の忘年会で失神し、10数針縫って入院したという鼻が痛々しい。「西原元総長の息子と同期で、転勤する先々で稲門会を作ってきた。長岡では幹事でもなんでもやる」と頼もしいあいさつ。それじゃあ会社やめて長岡に残ってもらうというのは如何?

 同じく日本火災の高島謙介君(H3法)は、スリムな体に似合わず、「高等学院時代はキャッチャーだった」と気を引いておいて、「今年こそコルフで100を切りたい。早慶ゴルフにはもちろん参加したい」と前向きな発言。

 石山和彦先輩(S57文、読売新聞長岡支局)は、早稲田に元気がないのが気に入らないようで、「なんでヒロスエなんか入れてんだ、誰でも入れればいいってもんじゃない。巨人がなんだってんだ」とご立腹の様子。眼光するどい一言居士だ。

 初出場の最後は、神田哲也君(H7文、長岡市役所)。この日の最年少でもある。「まだ入ったばかりで、勉強あるのみ」と殊勝な態度。早いとこ市長がなんだ議員がなんだと過激な発言をするようになってね、とかわらばん書きは期待をかける。

 

 さて、ここからは全出場者のミレニアム・コメントのオンパレード。まずは、若手からのスタート。

 若手席で元気な声を上げているのが中村重樹君(H6社会、柏崎土木事務所)。「女を呼べ。できれば3人に1人。プロじゃない。若い奴出て来い。どうしてみんな言わないのか」。みかけによらず要求がきびしい。そろそろ結婚させねばならん。

 一方こちらは、結婚してすっかり幸せ太りの岡村隆史君(H4商、第四銀行)。子供も1歳になったとか。「今年も朝晩励む。出社前にも一発。やることはやらんと殺される」。言葉とは裏腹にうれしそう。2度目の勝負をかける年だそうで。皇太子殿下も一生に一度はこんなセリフを言ってみたいでしょうに、ネェ。

 続いては2年連続2度目の出場、津端朝宏君(H3商、伊米ヶ崎小学校)。「昨年は初めて来て、眞紀子先輩に飲まれてしまった。近々長岡付近に転勤の予定ということで、先輩たちの子供を担当するかもしれない。地道にやる」と語る。

 若手を集めて偉そうなのが、イータカネット氏でおなじみの飯高潤先輩(S58商、長岡市役所)。「工業振興課の仕事で来月には渡米して、シリコンバレーの企業にオフィスアルカディアの売り込みをするが、成果もあげられずにカリフォルニアワインに飲まれてしまわないよう気を引き締めねば」と語る。ちなみに氏の二人のご子息の名前は、壮と烈といい、去年から剣道を習い始めたとか。指導会に参加する日も近い。

 その隣でまじめ顔なのが2年連続2度目の出場の獅倉一輝先輩(S54商、ポリテクセンター)。今年をチャレンジの年と位置づける。「求職者といっしょに自己研鑽に励み、中小企業診断士の試験を受けたい」と語る。

 中堅席で一人カジュアルなニット姿でくつろぐのは、おしゃれな田中伸一先輩(S52文、田中屋)。「ホームカミングデーに呼ばれたよ。馬鹿騒ぎしてくるしかないじゃん」と、にこやかな顔。年とりませんねぇ。

 こちらもニコニコ顔に定評のあるニコニコ写真館氏岩淵義博先輩(S49文、いわふち写真館)。「葬式帰りなんで、とにかく死にたくないという実感。健康を第一に考え、世俗一本でいく」と語る。死なないで下さいよ。死ぬまで記念写真をお願いするんですから。

 「今年は男にならねば」ときっぱり宣言するのは、マーケティング・コンサルタントの小松俊樹先輩(S48教育、エム・シー・エー)。「コンサルタントが営業赤字じゃ税理士さんにしかられる。黒字をだして男になるのだ」というわけ。

 ちゃっかり若手席にもぐりこんで、怪しげな髭をたてて、どこぞの映画監督のような風体なのが、上野貞男先輩(S46商、上野住宅建材)。出席者名簿に上野住宅健在と書かれているのを見て、「不況の中でまだ健在であったか」と幹事に気をつかってもらったのだろうと得心顔。「今年は自宅の新築に着工する。北欧の思想に刺激され、環境に配慮した木造百年住宅を作る。死んだ後も考えて、家族ぐるみで8年ががりで設計した」というから、おみごとと言うしかない。

 同じくちゃっかり組は、早稲田ネクタイ姿の倉重良平先輩(S46法、長岡倉重)。のらりくらりと取材をかわす様はクラゲのようだと思っていたら、南中生徒会長時代から通称クラゲだったとか。意外にもカラオケでは、一人英語でノリノリに歌いまくるうるさいオジサンである。

 一方こちらは東北中生徒会長の吉沢進先輩(S46、北越銀行)。キレ味のするどさは同期でピカ一との折り紙つき。「早くいい世の中になってもらいたい」「ラグビーが弱いのは寂しい」と無難にコメントする。なかなかボロを出さないのが吉沢流か。

 サユリストとして知られる草間克己先輩(S45法、草間不動産鑑定事務所)は、やはりロマンチスト。カラオケでは、舟木一夫の青春歌謡を直立不動でせつせつと歌う。一途な思いをよせた彼女は今いずこ。「今年は一途に仕事をする」とはご立派。また、原会長がなにかと頭にいい物を世話してくれると喜びを隠さない。

 長岡稲門会の名事務局長、剣道指導会のまとめ役として有名な五十嵐安夫先輩(S45商、原信)は、学生時代は総長お抱えの用心棒だったという話は有名になり、用心棒氏としても知られるが、剣道仲間と飲む姿は時代劇のようだという。ひょうひょうと寡黙にして豪快に飲む。今年の抱負はただ一言、「不況を元気でのりきりたい」。

 「あー、生きててよかった」と語るのは、井口孝一先輩(S45商、日本精機)。狭心症を患い、「いろいろやってきたけれど、ニトロなめなめ来年も来たい」とはごもっとも。ビール早飲み王者の名は、永遠に不滅です。

 金融再編の渦中にあってストレスのたまった岩淵弘俊先輩(S45法、北越銀行)は、早口でまくし立てる。「なんでもいいから、正月のスポーツは勝て。画面にWが写らないと、酒量が増えていかん。なんで慶応のラグビーが強いんだ。早稲田は最近たるんどる。人事の立場からみても、最近の早稲田は評価が低い。個性がないから魅力がない」オジサンは怒ってるんですよねー。

    平成(静)を忘れて騒ぐ二千年          酒仙

 フワリと短冊を渡したのは、川柳職人でもある酒仙、七里貞雄先輩(S44商、七里商店)。日本酒をこよなく愛し、酒仙という名がお気に入りのようで、方々で使っているらしい。

 2000年がテーマといえば、この人も本命。ミスターコンピューターの高野繁里先輩(S43商、NSコンピューターサービス)。「2000年だからってオレにコンピーターの話をさせるなよ。全然わからんのだから。オレはゴルフ担当。でもね、これで終りじゃない。2月29日は400年に一度の日だし、3月31日のお上の締め日、12月31日も要注意」

 一方、早稲田マンに物申す、と威勢のいいのが、鷲頭勝吉先輩(S43商、ワシヅ設計)。「とにかく出席せい。出なければ始まらない。オレは28年間無欠席。ゴルフだって、姉の葬式で一回休んだだけ」と、ひかえおろうと言わんばかり。三田会差し入れの女性を隣りにおいて、独り占めの様相だが、誰も文句は言えない。

 中堅席の最後は、村山賢先輩(S41商、柏精機)。「0からのスタートに光を見出だしたい。下請けからの脱却をかけて、シルバーブランドにかける」と語る。さらに続けて、「早稲田の将来は、早稲田スピリットの追求、校歌の隆盛にかかっている」。さすがに応援団長は血が熱い。

 さて、いよいよ大詰めを迎え、長老席、あ、いや失礼、主賓席のお歴々の登場。

 先頭をきるのは、『総長』の異名(眞紀子先輩命名)をとる岩田豊治郎先輩(S37商、北越メタル)。ライオンズで精薄施設の慰問をして、目が覚めたと語る。「金儲けの時代は終わった。儲からん。これからは奉仕の時代だ。時代とともにオレも変わりたい」。円熟の世代らしい言葉。

 続いては文化人の誉れ高い賢人会の大宗匠石井準之助先輩(S35商、田村商店)。「最近、新潟の能楽堂で2か月に一度舞っている。長岡にも能楽堂を作りたい」。その一方で、「デノミを待望する。デノミになれば、紙とシュレッダーが売れる。仙人にはなりきれない」

 仙人どころかドロドロの市政の土真ん中に座るのが、大地正幸先輩(S34法、長岡市議)。「草の根は本来エゴイスト。市長はスタンスをどうとるのか。市長のいう現場主義は理想ではあるがはたして可能なのか」と、問題を指摘する。さらには、「小淵総理をもっと応援すべきだ。日本が一番ダメな時に、T大やK大ではダメで、小淵さんになったのだから。今こそ早稲田精神の再構築をしなければならん」とボルテージは上がるばかり。

 そして原信一会長(S34法、原信)。商工会議所を元気づけるために、リリックのミレニアムパーティに出席してきたと語る会長は、「昨年は本を30冊しか読めなかったが、今年は50冊読みたいと思う。冊数だけでなく中身も問題。司馬遼太郎亡き後は、塩野七生の大作『ローマ人の物語』(現在8巻まで)に挑戦」。ローマの歴史は21世紀の世界の共生の参考になりうるのか。会長の頭はすでに21世紀のグローバル社会にむけられている。

 さあ残すところあと二人。大僧正の登場。上原仁先輩(S32文、西願寺)は世紀末思想を憂える。「釈迦が言うところの末法時代は、五辱悪世の時代。思想が汚れ、個人主義、無責任が横行する。救うのは仏法しかない。足るを知る心、生きる喜び、生かされる喜びを知らしめなければならぬ」とは、頭を垂れて聞くしかない。『サイコーですかー』とか『定説です』くらいだと軽く笑えるのだが。

 いよいよ特別企画ミレニアム新年会稲門紳士語録『2000年に語る』も、最後の一人。『大トリ』を務めるのは、出席者中の最長老、土屋蔵三先輩(S30法、旭タクシー)舌好調氏は今年もいろいろと語るだろうが、とりあえずは新年会の語り納め。

 スポットライトに照らされて、純白の羽織袴に身を包んだ舌好調氏は、「肉体もだが、とにかく精神の若さを維持したい」とエンジン始動。それにはやはり口の体操を欠かさないことでしょう。ハイ。そして、フィナーレの紙吹雪舞う中、「なんとしても教育改革をしなければならない。若者のマナー、道徳の荒廃は目にあまる。学校、家庭だけでなく、『しつけ』は地域から取り組まなければならない」と流れるように語り納める。

 いつのまにか三田会の面々が乱入し、田中直紀参議院議員も田中眞紀子先輩(S43商、衆議院議員)の代理であいさつ。「家内が風邪で熱を出しまして、鬼のカクランといいますか・・・」などと、いつになく饒舌に語り、絶好調のハシャギぶり。鬼とは古来も2000年の現在も凄いもののようだ。

 

 かくして、ここ数年恒例となった早慶入り乱れてのエールの交歓、都の西北、若き血の斉唱で散会となりました。いつもながらキレイドコロを提供してい頂く三田会さんには、厚く御礼を申し上げたいと思います。

 なお、かわらばん書きとしては、大変忙しい新年会でしたが、発作的に宣言した特別版をお届けすることができ、喜びにたえません。味付けはいかがでしょう? 旬の脂ののった『しめさば』をイメージしてみました。あたらぬように、しめすぎぬように、程よい酢かげんを心がけました。記念写真とあわせて御賞味下さい。

 天の御加護をえて、皆様方の2000年が充実されることをお祈り申し上げます。

       2000年1月 

                                  ワカツ記

 


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