うつむきかげんに晩秋の公園を歩けば


 

朝晩の冷え込みが強まり

カラリと晴れ上がった晩秋の一日

燃え上がるような紅葉に包まれた山は

夜来の氷雨で見事に衣替えをした。

散策する足元は

燃えるような錦のじゅうたんが敷き詰められていた。

 

イチョウの木の下は

黄色のじゅうたんが敷かれる。

雑木林の足元は褐色に染まり、

それぞれの木々が

それぞれの個性を去りゆく季節の中で

賢明に主張する。

秋の落ち葉は

やがて来る春への置手紙

無造作な手紙もあれば、

絢爛豪華なラブレターもある。

 


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