今月のコラム
2001年4月22日
かわらばん書きのつぶやき
自民党総裁選挙に思う
自民党総裁選挙を二日後に控えて、全国の予備選の結果が徐々に明らかになってきた。結果は予想以上の小泉氏圧勝の様相を呈してきたということらしい。さっそくメディアは、小泉総裁誕生を前提にして、番組作りを始めている。
自民党の構造的行き詰まりは誰の目にも明らかなわけで、その点では日本の構造改革、自民党の構造改革、派閥解消を訴える小泉氏に人気が集まるのは当然の結果である。
しかし自民党員となると、特定郵便局とか、恩給会とか、医師会とか、戦後日本の最も固定的な利権集団の占める割合が゜圧倒的であり、報道されているように幽霊党員がかなり存在するらしいということになると、国民の視点とは全く次元の違う世界であるという結果がでても不思議はないと思われていた。現に政治評論家の森田氏などは、地方といえども党員は利権団体ばかりだから、地殻変動は起こりえないと断定していた。
しかし、現在判明しているところでは、そのガチガチの組織票といわれていたところに、明らかに地殻変動が起きていると言わざるをえない。ここで問題になるのは、この流れが、旧来の自民党に対する嫌気、失望からくるのか、かつても危機の度に発揮されたように、自民党を愛するが故の批判であって、これを党が派閥の交替という形で、自己変革する懐の深さを示して乗り越えてしまうのか、という点であろう。
橋本派首脳の野中氏、青木氏は、明らかに後者の考えであり、橋本氏が敗れても、これて表紙の取り替えに成功したとして、変革のポーズをとりつつ、小泉氏の取り込みに動き始めているようである。
しかし国民の多くは、自民党に自己改革は不可能として、三行半を突きつけているように感じられる。ならば、小泉氏が総裁になりながら橋本派に包み込まれていくよりは、破れて脱党し、国民の指示を背に、すでに自民党に居場所のない加藤氏や、石原都知事、管民主党や、白川氏などとも連合して、総理の座を奪い、橋本派ひきいる自民党を倒すという、ダイナミックなドラマを期待しているに違いない。
そう考えると、総裁候補を四人も立て、メディアで活発に訴え、そして小泉氏で決着したと見せかけて、自民党を守るという高等な戦略が、首脳部によって描かれていたにすぎないのかもしれない。そして、こともあろうことか、あの首脳部の天敵田中真紀子氏すらも、見事に乗せられてしまっているのである。
いやはやあっぱれというしかないが、さて筋書き通りにいくかどうか、当分目が離せないようである。
最後に、今回の候補者四人を、似顔絵の山藤章二氏が野球のピッチャーに見立てていたのがおもしろかったので、紹介しておきたい。
橋本氏 人を小ばかにしたようなスローカーブ。
亀井氏 バッターをのけぞらせるビーンボール。
小泉氏 打たれてもかまわないとそれしか投げない監督泣かせのストレートボール
麻生氏 行く先はボールに聞けというノーコンのフォークボール
そういえば人気の石原都知事も剛速球が売りのワンマン投手。長岡にも直球しか投げない議員がいましたっけ。