マイライン狂騒曲にみる日和見概論

 

今回のテーマは 「マイライン狂騒曲にみる日和見概論」 です。  

すでにご存知でしょうが、先日、マイライン登録の2月末時点の経過発表がありました。見出しを拾うと、「NTT序盤圧勝、シェア7割」 「登録は低調6.5%」 「テレコム苦戦、値下げで巻き返し」 「KDDI不振」など。  

これを見ただけで、いろいろなことが想像されます。   まず、「登録は低調6.5%」です。各社が鳴り物入りで大キャンペーンをうっているにもかかわらず、登録はたったの6.5%です。ということは、むしろ登録した人が普通ではないわけです。NTTはOB総動員でハンコ集めをしていますが、これでは関係者と電電公社盲信派のおそらくはお年よりだけかもしれません。中には、瞬間的に発作的に「いいですねぇ」と叫んでハンコを押した、純粋日和見教徒もいたかもしれません。だからこそ、NTTの圧勝という結果が出たのでしょう。「NTTシェア7割」という結果は当然といえるわけです。ここに登場した盲信派、純粋派は、なにも考えないという点で、「無思考型日和見派」と分類できるでしょう。  

次は、未登録の93.5パーセントの人たちを考えてみましょう。この人たちは、大きく分けて、3つのグループに分けられると思います。  

1つは、よくわからないから結論を出しようがない、または営業が来ないから忘れている人たちです。これは基本的には「無思考型」とおなじです。  

2つ目は、決めようと思いつつ決断が出来ず、経過発表などを見ながら「寄らば大樹の陰」の精神で、勝ち馬に乗るつもりで先送りしている人たちです。これは「優柔不断型」と分類できると思います。  

3つ目のグループは、自分にとって一番有利なのはどこかを見極めようとして、また値下げ合戦の行方を見極めようとして、資料やニュースに目を配っている研究派です。これは、真に合理的な消費者であることから、「合理的日和見派」と分類します。  

さて、日ごろなにげなく「日和見」という言葉を使っている私たちですが、実は「無思考型」と「優柔不断型」「合理的型」の3種が存在するわけです。

日和見教団の教義では、とにかく「いいですねぇ」と瞬間的に答えることを説いていますから、「無思考型」を勧めているわけです。  

しかし、現在の日本社会のいたるところに繁殖しているのが「優柔不断型」です。確かに伝統的な日本社会では、あるいは農耕民族的集団には、この「優柔不断型」は組織の安定のためには不可欠なものでした。しかし、変化を求められる時代には、全くそぐわないものです。日産自動車などは、どうすべきかわかっていても波風を恐れて、若いフランス人に改革を任せてしまったくらいです。  

そして、「合理的型」は民主主義のあるべき姿でもあるのです。自己責任の原則のもとで、合理的判断を下すべく研究する、経済学における正しい消費者でもあります。

そもそもの「日和見」という言葉は、空模様を見ながら行動を決める、という意味であり、多分に合理的なものであるわけです。  

このように、現代の日本に求められているのは、「優柔不断型」から「合理的型」への脱皮であり、その変化の過程で緩衝体として求められるであろうものが、あいさつ運動にも似た、我が日和見教団の提唱する「無思考型」なのです。

さあ、皆さん、今日から毎日「イイデスネェ、イイデスネェ、イイデスネェ」          


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