駒形豊氏を迎える

3月も末になって、長岡におけるインターネツト界の有名人、駒形豊氏がインタビューを申し込んでこられた。太田県会議員のホームページの応援コーナーの取材という名目だった。

無言は清澄房ではなく、本町の実家で氏を迎えることにした。なにぶんにも、清澄房は隠れ家であり、仙人界を理解する人以外は近づけていないし、氏にお目にかかるのは初めてなのである。

氏は事務機器会社を経営する傍ら、インターネット・プロバイダーも手がけているのであるが、自らポータルサイトを運営すると同時に、「駒形豊のデジタル日記」や「遊食会」などのサイトを自ら開き、顔写真と本名入りの日記を公開しているのである。さらにハンドルネームでも存在感を誇示しているようである。

顔写真と本名で勝負するというのは政治家ならば当然であるが、一般にはあまり多くない。むしろプライバシーの保護やセキュリティの問題から、両者をぼかすことが多いようである。

かくいう無言もいろいろな忠告をうけて越州仙人として身を隠しているのである。しかし、見る立場からすると、リアルだからこそ見たいのであり、ぼかしの世界には魅力がないのである。

日記を眺めていると、いつのまにか他人のような気がしなくなり、10年の知己のような気になるのである。これは個人を売り込むには実に有利なことである。

無言はすっかり駒形氏と知己の気分になっていた。特徴である太く下がった眉がなじみやすさを想像させ、だから最初に電話を受けた時にも、当然のこと「いつもどうも」と言ってしまったのである。もしかすると、話題の「出会い系サイト」のトラブルと同質のものて゜あろうが、ここでは問題ではない。

さらに加えて、氏は長岡では超有名な財界の巨人、故重吉氏のお孫さんである。重吉氏といえば、財界の巨人であると同時に、97歳まで現役の社長を勤められた化け物でもあるのだ。

いろいろとトラブルもあり、プラスの遺産ばかりではないのだろうが、やはりこちらり好奇心は、重吉氏に向ってしまう。「若い頃カミソリの刃を渡るような切れ味」と評された人である。孫からみるとどんなだったのだろうか。

いろいろとこちらから聞きたいことも多く、ついインタビュー気分になってしまったが、今日は太田県会議員の応援なのである。といって無言はあまり応援した覚えもない。どちらかというと面と向かうと文句ばかり言っているような気がする。

しかし太田議員のご指名ということであるから、応援されているつもりなのだろうし、まぁ密かには応援しているつもりである。しかし、どこがいいかといわれでも困ってしまう。政策には文句ばかりつけている。

むしろ批判ということなら、流れるように出てくるようである。しかしそれが太田氏のキャラクターなのであろう。同期の人たちとの会話を聞いていても、いっせいに文句を言われながら、カエルの面にションベン状態で聞いている。

大隈重信ゆずりのオープンマインドがその秘訣であろう。誰とでも気楽に話し、気楽に話をさせるのが技なのかもしれない。

考えてみれば、何が正しく何が正しくないかは、後でわかることである。正しいはずだと判断して間違ったことがいかに多かったか。バブル崩壊後の社会を見ていると、そう思ってしまう。

結局正しいか正しくないかは運が決めるのではないか。運が強ければ正しかったことになるのではないか。かの「経営の神様」松下幸之助氏は晩年語っている。「一番大事なのは運やないかと思うんですわ」

その点、太田氏は運が強いようである。だめかと思った県議戦挑戦は39票差で滑り込み、市長選では自民党を裏切りながら勝ち、除名されながらも除名嘆願で復活。

本人に言わせれば、「私はついている。私は辰年生まれ。河井継ノ助は蒼龍であった。私も龍になって空に昇りたい。雨になってしまうかもしれないが」

もはや55年態勢とか、自民党とかのかつて絶対と言われたものも、自民党の若手の言葉を借りれば、メルトダウン寸前である。節操がないと言われる太田氏であるが、それこそが市民の声でもある。地域共同体の代表として、市民と同じ目線で発言をする太田氏に期待をしたくなるのである。

さらに加えれば、太田氏も駒形氏も団塊の世代である。年金を初めとして、あらゆる制度が団塊の世代が老人となる時には維持困難になるといわれている。赤字国債の問題でも、つけを孫子にまわすことになるのだから、これは世代間闘争なのだという。ならば団塊後の社会をどうするのかという問題を、団塊の世代が背負わされているとも言えるのである。

残すところ5年ないし10年。団塊以後の運命共同体にとっても時間との戦いなのである。

インタビューではいろいろな話を気持ちよくさせてもらったが、肝心のポイントがなかったような気がする。ここに改めて書かせてもらった。

さて、駒形氏がどうまとめるか、楽しみである。今まで登場の人たちは団塊の世代であり、事業家としての面の話が多く、実は駒形氏のネットワーク作りを兼ねているように感じられるが、無言は仙人ですからねぇ。

p.s.

ホームページは即日アップされていた。とりとめもない話であったが、見事にまとめられている。無言のことも太田氏のことも誉めてある。しかもポイントは全くぶれていない。仕事といえ、さすがというしかない。

無言は「カンドーした !」

http://www.mynet.ne.jp/~otaosamu/talk.html

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