26.中越地震乗り越え、退職OB会旅行復活

       〜 家屋全壊被害者も含め、二年ぶりの親睦旅行楽しむ 〜

あなたは人目のお客さんです

◆ 二年ぶり退職OB会の復活旅行

  
中越地震・旧山古志の当時の惨状
 
中越地震・旧山古志の当時の惨状

 一昨年の中越地震の被害の影響で、退職OB会の恒例の旅行が昨年中止のやむなきになっていた。わが退職者OBの会(退職者組合協議会)は、長岡市を中心に中越地域に在住するかっての職場仲間で組織しているため、地震の被害も甚大であった。
 当時、家屋の全壊者18人、半壊者が35人にもおよび、300名会員のすべてが被災者だった。多くの仮設住宅住まいの会員が発生し、今も続いている会員もいる。なかでも旧山古志村の仲間は、ようやく全村避難が部分解除されたばかりの状態で、旅行など計画できる状態ではなかったのだ。この一年、仲間の助け合い、カンパ、共済による世話役支援等で側面援助もかない、ようやく復旧のメドも立つようになってこのほど二年ぶりの「復活の親睦旅行」となったものである。

◆ 参加者47名、最高齢84歳、平均年齢67歳、皆元気! 

 
二日間楽しく案内してくれたアルピコバス
二日間楽しく案内してくれたアルピコバス


 目的地は、金沢の奥座敷と銘うつ「辰口温泉」と世界遺産「荻町合掌集落」一泊二日のコースであった。
 年1回のこの旅行もこれで10回目になる。退職して疎遠になりがちのかっての仲間が、一同に会する機会はめったにない。互いの健康の証しと日ごろの思いを語り合う絶好のチャンスでもある。今年の参加者は47名、うち女性の参加も13名ありいずれも過去最高の参加となった。
 それぞれの容貌、髪の濃淡、しゃんとしていた姿勢の変化、顔のしわの深さ……etc.一年一年の変化は隠せない。数えてみたら平均年齢が67歳だった。一番若い者で58歳。最高齢は84歳だった。気持ちの持ち方、話の中身、日ごろの活動等、知れば知るほど中身の濃さにビックリする。皆元気なのである。たちまちのうちにワンカップ、カンビールが飛ぶようになくなっていった。体力・気力とも充実していて、元気なのである。

◆ 3分の1の女性会員の参加で雰囲気やわらぐ 

 かっては、旅行の参加者の圧倒的多数は男性で占めていたようだ。ここにきて年々参加者の階層も変化している。固定していた顔ぶれが徐々にではあるが、バラエテイに富んできているようだ。退職者の階層も還暦前の会員も多くなった。女性会員の加入も増えてきた。女性会員の参加はもちろん、男性の参加階層はばが広がってきた。こうした幅広い会員の参加は好ましい傾向だ。
 今年は、女性会員の参加者が13名あって、参加者の3分の1を占める状況だった。男性のみの団体旅行とはまた違って、宴会でも、バスの中でもやわらいだ雰囲気が生まれてくるのは楽しいものだ。
 年配階層と比較的若い階層の参加、男性・女性わけへだてない気安い参加、そんな誰でもが気楽に参加できる本当の親睦旅行になりつつあることを喜びたい。わが退職者のOB会は、かっての職場の役職者意識が全く持ち込まれていないところに特色があり、それがいいところなのだ。


高岡市の名刹・瑞龍寺 高岡市の名刹・瑞龍寺の庭内

高岡市の名刹・瑞龍寺  /  高岡市の名刹・瑞龍寺の庭内

  ◆ 宴会の前に物故者に黙祷、「ふるさと」の合唱で偲び、宴会スタート 

 辰口温泉に到着。ゆったりと湯につかった後、待ちに待った宴会。司会はいつも決まって宴会部長のK氏。出雲崎出身で、舞踊・三味線を得意とし、プロ級の腕前。「出雲崎おけさ」は町でも名手。この人、さあ乾杯とおもいきや、いきなりハーモニカを取り出して唱歌「ふるさと」を吹き出した。
 昨年11月、会の副会長のY氏が74歳で肺がんの宣告を受け、わずか2ケ月ほどで壮絶な死を遂げていたのだった。その死を悼んでみんなで偲ぼうとの配慮だった。仲間思いの別の一面を見る思いがした。みんなで歌った。
 退職者OBの会ではあるが、前身は助け合いでもあった労働組合組織の延長としての協議会でもある。心中に流れている思いは、仲間愛であり、支え合いの精神が支柱にはある。一昨年の中越地震のときも、互いに駆けずり回って被災の実態を把握し、全国からの仲間の救援を仰ぐこともできたのだった。いつも心の内には、仲間への思いが失われていないことを知って勇気づけれた。
 宴会は、いつもにも増して盛り上がった。二年ぶりの積もった思いをそれぞれに交換しあい、互いに元気を吸収しあって活力の滋養とした。

”ふるさと”の合唱”
 
”ふるさと”の合唱”

◆ 仲間とふれあって、いつまでも元気を保とう 

 旅行は二日目、世界遺産の指定を受けた「荻町合掌集落」の町並みをゆっくり散策。まだ豪雪の残る風情ある合掌集落の家並みを、ある者は連れ立って、ある者はグループでと、思い思いに辿った。
 僅か二日間の旅程ではあるが、年に一度、昔同じ釜の飯を食んだなじみ同志が、久しぶりに一堂に会し元気を確かめ合い、酒を酌み交わし、打ち解けて話を交し合う。一ッ時ではあるが余生の中の、充実した一ページの記録でもあった。一年一年、それぞれ寄る年波は隠せないが、来年も、またその次もお互い元気の確かめ合いを競って参加されることを願っている。来年もこの参加者の元気な顔が揃い、多くの新しい顔が加わることを期待して旅を散会した。

荻町合掌造りの家 荻町合掌寺院の鐘楼

荻町合掌造りの家  /  荻町合掌寺院の鐘楼

     

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