27.早春の越後の山野草との出会い

     〜 越後角田山・白花カタクリ発見!そしてギフチョウに出会う 〜

あなたは人目のお客さんです

◆ 春到来・山への胎動の季節がやってきた

  
山中で発見した白花カタクリ
 
山中で発見した白花カタクリ・盗掘されないことを祈る

 長かった越後の雪の季節も終わりを迎えて来たようだ。長岡の西山連峰は3月半ばには雪が見えなかった。4月に入って東山の峰々も山肌の白雪がとれ黒ずんできて、里に春の訪れを告げている。いよいよ待望のアウトドア活動の到来だ。
 早い仲間の便りでは、弥彦・角田の雪割り草の写真を送ってくれていた。昨年、角田山の海岸コースをとり、海抜ゼロ地点から佐渡をバックに直登、次々現れる見事な早春の花々に魅せられたことが忘れられず、逃さず決行することとした。今日はゆったりとデジカメ写真を中心とすることとし、接写用に虫眼鏡を用意した。
 込み合う休日をきらい4月11日の平日。家内も同行するという。雨の心配はまずなし。長岡を7時20分に出発した。

◆ 平日なれど観光ツアー客も 

 寺泊からシーサイドコースを走ったら、間瀬まで1時間。海岸コースの駐車場には1時間10分で到着した。近いと感じた。
 海岸の広い駐車場には、平日のせいかさすがにわずか3台ほど。今日は、静かな花観賞にもってこいだと勝手に合点。ところが、中に県外ナンバーの観光バスが1台。訊くと東京からのツアー客で、すでに五ケ峠コースから登っていて、昼ごろこのコースを下山してくるのを待っているのだという。角田山の春の山野草が、近年人気だとは聞いていたが都会からツアーでくるのにはビックリした。
 コースは桜尾根コースを辿ることとした。昨年、このコースを初めて下った時、最後まで切れ目なく雪割り草でつながっていた印象があったからだった。波打つ海岸線のゼロM地点を8時40分スタート、駐車場を後にした。
 一歩踏み出すと、雪は全くないことはもちろん、地面がカサカサと乾いており、野草が芽を出していて、青々とした葉株が目に飛び込んでくる。ついこの間まで雪を踏みしめていたことを思うと、春になっている実感の確かめができうれしかった。15分もしないうちに早くも雪割り草があらわれた。去年と同じだ。今年も一番いい時期に出会いたようだ。期待がもてそうだ。

雪割り草とカタクリ カタクリの花

雪割り草とカタクリ  /  カタクリの花


◆ カタクリと雪割り草の競演だ! 

 しばらく進むと道の両面に白、紫、ピンク色の群れが一面に広がってきた。それも他を圧倒して斜面を彼らが、今が盛りといわんばかりに誇示しているようだった。誰の手入れがなくても、ここまで広がって生きながらえて、自己主張することはこの時期を置いてないのだ。一つ一つの花を見ると生き生きとそれを主張しているようで頼もしい。
 さらに進むと急な斜面一面がカタクリの軍団に変わってきた。今度はカタクリの競演に代わったのだ。ちゃんと棲み分けがあるのだろう。下向きの真剣な顔から、耳がピーンとそりかえっているように感ずる花だ。この群生は、しばらく登山道両側を埋め尽くすように続いていた。

カタクリの群生 道の両端とその斜面は全面カタクリ

カタクリの群生  /  道の両端とその斜面は全面カタクリ畑

  ◆ 珍しや!白花カタクリに出合う 

 花の続く桜尾根を辿って1時間20分、角田山の山頂へ到着。幸い静かだった。東側の観音堂広場で、飯豊連峰を眺めながらゆっくりと休憩の後、昼前に灯台コースをとって下山に向かった。 このコースも花は沢山だった。とりわけカタクリのお花畑が桜尾根にもまして立派だった。
 花のデジカメを気ままに撮って下っていくと、カタクリの一群の中に異様に白いものを発見。よく見るとまぎれもなくカタクリの葉と姿である。花だけが真っ白なのだ。一輪だけだが、間違いなくカタクリの花だ。そばにはあたりまえのピンクのカタクリが咲いている。夢中で、虫眼鏡で焦点を合わせながらデジカメに収めた(トップの写真参照)。何か得したようないい気分であった。採られないで無事来年も咲いてくれることを祈って後にした。

対照的な白とピンクカタクリの花 ショウジョウバカマ

対照的な白とピンクのカタクリの花  /  ショウジョウバカマ

◆ 春を告げる蝶、ギフチョウに会う 

珍しい白花カタクリを発見して得した気分になっているところへ、一匹の蝶が飛んできた。鮮やかな文様だ。瞬間、春を告げるというギフチョウの名前を思い出した。すぐ手元まで来てくれた。萱の枯れ枝に止まった。あわてて2枚、シャッターを切った。
 蝶の文様がみごとだった。ギフチョウは、カンアオイの葉に卵を産みつけ、カタクリの蜜を好んで吸うという。そういえば道中、時々カンアオイの葉が見えていた。どこかで卵を産み落として舞っていたのだろうか。
 春の山行きで一つならず、二つも得した気分を手にすることができた喜びは、得がたい体験だった。なおも続くお花畑の山道を、心おきなく散策しながら灯台コースを辿った。下山最後の尾根は、むき出しの岩尾根がゼロメートルの海岸に飛び込むようにしての下りだ。佐渡が目の前にあり、足元が海の中にあるかのように感ずる、そんな絶景コースだった。
 越後の春一番の花の旅はとても充実した内容だった。今年の幸先きよい予告のようでうれしかった。

春を告げるぎフチョウ コース終着の角田浜灯台

春を告げるギフチョウ  /  コースの終着の角田浜灯台

   

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