32.自然たっぷり・隠れた鋸山コース再探索〜
〜 訪れる人もなしか?ひっそり自然のままの雰囲気宿すコース 〜
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◆ 隠れた鋸山コース再び深訪〜夏草のやぶ自然のまま
身近で長岡市民に親しまれている東山(左奥が鋸山)
今年一番の豪腕台風13号が去って彼岸入り。とたんにめっきり秋らしい気候に変わってきた。そんな快晴の秋分の日の一日、思い立って鋸山を歩いてきた。
行くコースは本ホームページの第8話でも紹介した「鋸山・隠れたコース」である。この道は2年ほど前、地元栖吉のWさんの献身的奉仕で整備され、鋸山山頂に到達するルートであることは、先のホームページで紹介
(注 参照)
したとおりである。 これまで、三回歩いて来たが、いづれも春先か遅い秋の季節であって夏の道を歩くのは初めてであった。三度の経験もあって、単独で気軽に挑戦したのだが、隠れた秘かなルートはそんなに甘いものではなかった。人気(ひとけ)の少ない山道は思いのほか荒れたヤブとなっていて、行く手のコースを阻んでいた。それだけ通る人が少ないことでもあり、自然をそのまま残した魅力的コースである証でもあろう。
◆ 三段の滑め滝、夏枯れせずに健在
彼岸の中日、秋分の日の快晴もあってか栖吉の登り口駐車場は、早朝6時40分にもかかわらず多くの車で混んでいた。
花立コースはきっと列が出来ているかも知れない。ずっと手前にひっそり駐車、ひとり隠れたコース道を踏み出した。午前6時50分だった。 道路からの入り口は萱ヤブでこれが道かと思うが、入っていくとすぐ踏み固められた細い山道となっていて、人が通った跡が分かるしっかりした道だ。この分では、結構登山者もあるのかな……そんな思いがした。 20分ほどで滑め滝に着いた。春先は、雪解け水で豊富な水量だった。この時期は、水が枯れているのかと思っていたが、適当な水量でなめるように流れていた。夏枯れしない滝のようだ。
三段の滑め滝のうちの二つの様子
◆ めずらしい樹木との出合い
三兄弟のように鼎立して伸びるトチの木とその根っこ
このコースには変わった樹木や姿をした自然があちこちに見られて興味を引く。滑め滝近くで兄弟のように鼎立して伸びる珍しいトチの木を発見した。
抱えきれない太さの三本が格好よく整列し、いずれもすらっと天高く伸びているのだ。根っこがまたしっかりと幾重にも絡み合っていて三本を支えている姿が実にたくましい。上の映像ではピンボケ携帯写真のため、くっきりしないのが残念だが……。 しばらく進んだところで、またまたびっくりするような珍しい木に出合った。大木にフジと思われる木が絡みついて成長した姿だった。フジの木もかなりの太さで、大木に食い込んで成長している。丁度大木に大蛇がとりついて登っているように見える。あれこれとこのコースには、まだ人に知られずひっそりたたずむ自然が随所に見ることの出来るいいコースだ。
大木にからみつく大蛇を思わせる
◆ 訪れる人もなし?夏草繁り行く先迷う
歩いて1時間半あまり、コース道は踏み固められ迷うこともなく進んだ。ボイ山道は夏草も少なく順調だった。
ところがほぼ真西に風谷山を背に、真正面に鋸山頂を見ながら進んでからやや左にコースを変えて小さな尾根を下るあたりと、最後の急登の尾根にとりかかる直前の沢を越えるあたりから、背丈を越す猛烈な夏草とそれにからみつく蔓枝にさえぎられ、行く先が全くわからなくなってしまった。おそらく最近はここを訪れた人の形跡はまったくないようだ。 Wさんが丹念に整備してくれたこの道も、このあたりまでは最近手が届かないのであろう。しかもまだ人知れず訪れる人もなく、ひっそり静まりかえった自然そのままであることを知らされた。これでいいのかも知れない。 道を見失ってヤブの中を何度か行きつ戻りつし途方にくれている時、携帯電話を思いつき、以前このコースを同行したK君に電話がたまたまつながりアドバイスを受けることとなった。同時に彼がこれからここに向かうとの返答があって電話が切れてしまうハプニングもあった。その後自力で目指す沢と、それとおぼしき取り付き尾根を見つけ出すことができ、無事鋸山頂に到達することができた。約3時間の行程となってしまった。 迎えを約束したK君は、仲間のSさんを同行してやってきてくれ無事落ち合うことができ、しばらくぶりの語らいのひと時を得ることができた。感謝。
◆ 山頂の賑わいと好対照、隠れたひっそりコース
山頂からの眺めは、すっきりした快晴で守門岳、浅草岳、魚沼三山はもちろんのこと遠く妙高、火打山、さらに佐渡の山まで望むことができた。
山頂には好天に誘われた登山者が次々と訪れ、いつまでも賑わっていた。静かな隠れたコースを誰にも会わず歩いてきて、この場に飛び込んで話の輪に加わるのもまんざらではない。 隠れたコースは隠れたコースとして身近で静かに味わうコースとして楽しみたい。 一つ気になったことは、山頂直下の尾根を詰め山頂のすぐ足元に到達する新しい道が拓かれていたが、僅かな山頂スペースに寄り添って休憩しているその場に、ロープ伝いでいきなり駆け上がってくる登山者の姿がチョットそぐわない感じがした。道の開拓はいいのだが、いきなり山頂の足元にではなく、少し外れたところに到達する、そんな配慮がほしいと感じた。近くにあって、いつまでも老若男女の楽しめる感じのいい山であってほしい。(H18.9.27)
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