38. たて続け2回の守門岳登山

   〜春陽燦燦、息をのむ春山の眺望〜

あなたは人目のお客さんです


 まだまだすっぽり雪で覆われている守門岳(4/24) 


◆ ようやく春山スタート

 1月、2月は降るはずの雪もなく、カラカラ天気で積雪ゼロ。春の訪れが狂ったかと疑うばかりの陽気だった。それが一転して、3月、4月が狂ったような冷気の繰り返し。世間では、統一地方選挙一色で騒々しい一ヶ月が過ぎていた。お陰で待ちどおしかった春山がずーっとお預けだった。
 選挙戦も終わった4月末、ひょんなことから、春山の誘いの声が立て続けにかかって、たっぷりの雪山の感触を味わってきた。中4日を置いて連休前の連続の守門岳登山だった。

◆ はからずもの守門行き 

 4月24日は前日から好天の予報だった。その前日、たまたま用で訪れた窓口に、真剣にお客様応対のKさんを見つけ、長かった選挙戦のねぎらいの言葉を掛けたことがきっかけで守門岳行きが決まったのだった。
 彼の一ヶ月余の選挙戦からの”解放慰労”と自分の春山行き待望と、しかも彼の休日と時間たっぷりの自分のペースが偶然一致した結果だった。図らずも予期しないチャンスが訪れてくれた。
 例年この時期、守門の二分は1m余りの雪に埋もれているのが、やっぱり小雪なのか田圃は黒々していてフキノトウが真っ盛りだった。きっと田圃作業も、今年は1ケ月は早いことだろう。二口の登り口にはまったく雪が見られなかった。そこを8時30分にスタートした。
 登り始めたらすぐにイワウチワの可憐な花が迎えていた。今日もいろんな花々に出合いえるのではないかと期待がふくらむ。しかし、唯一の水場”護人清水”手前からはさすがに残雪の道となってしまい、花の期待はなくなった。残念ながらこの後、花にはお目にかかれなかった。
 

 左 この日やっと撮れたイワウチワ と 右 同マンサクの花 

◆ 雪はたっぷり、陽は燦燦 

 護人清水を登ってその上、谷地平からはまだたっぷりの残雪。ぶなの樹林に燦燦と陽がそそぐ中をゆっくり汗して登っていくのが何とも爽快だ。やせ尾根を越え、二つ、三つのピークを息を吐きながら登りつめると大岳との出合いだ。ここまで、誰とも出会わなかったが、ここで眼前の大岳山頂を目指す一人を初めて確かめることができた。



 左 陽光の中にくっきりの青雲から大岳 / 右 真っ白に覆われてる青雲岳 

 袴岳山頂には、日がようやく天空に届こうとする時間11時30分に到着。途中ここまでに、青雲岳で袴岳山頂から下山のただ一人に出会っただけ。山頂はKさんとたった二人だけの天上の地だった。
 ここちよい風、360度のパノラマの眺望、そして喉越しのうまいビール、山の話、職場の話、果ては人の生き方の話までと話が弾み、至福の2時間が過ぎてしまった。山は、やっぱりこれがいいんだ。

◆ たて続けに守門岳の誘い、またも快晴 

 ひょんな出来事から、5日後の連休の29日、K・E夫妻の誘いで再び守門岳を訪れるチャンスが巡ってきた。どちらも山好きなK・E夫妻。とりわけ奥さんの方が山へは熱心のようだ。天気も上々、断る手はないと我がおかみさんを説得、即座に同行した。
 守門は前回とまったく変わりなかったが、唯一つ賑わいが違っていた。連休突入の快晴日とあって駐車場も山頂も満員の盛況だった。
 5日前の足慣らしがあって、結構体調がよく、天気も眺めも抜群でとても快適な登山となった。日ごろ目にできないK・E夫妻仲のさりげない仲むつまじさもかいま見し、ゆっくりの談笑もまた楽しかった。
 予期しない立て続けの守門登山だったが、ここちよい疲労を得ながら、還暦ちょうど半ばのこの年齢でこうして楽しめる喜びを噛みしめている。(19.5.1記)



 左 下山路を青雲岳に向かうK・E夫妻 / 右 今にも崩落寸前の青雲岳の雪庇 

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