40. ‘07平標山の花々−深紅の石楠花群落をゆく

   〜色鮮やかな深紅のつぼみ、今が見ごろの平標山〜仙ノ倉山を行く〜

あなたは人目のお客さんです


 ‘07 平標山 咲き出したシャクナゲ 


◆ 平標山のシャクナゲに出会いたくて

 6月に入った。やがてうっとおしい梅雨となるだろう。しばらくは山行きの遠のくのもやむを得まい。しばらくはおとなしく自家菜園に精を出そう。
 そんな思いでいた時ふっと思い出し、”入梅前のこの時期、平標山の石楠花が咲き出す頃だ。今を逃したら来年までお預けだ”と脳裏をかすめた。10年ほど前、たまたまこの時期松手山コースから平標山〜仙ノ倉山を行った時、深い紅色の鮮やかなシャクナゲの群落の開花に遭遇した。広い尾根の草原に、緑のはえ松と笹の原っぱ、そこにシャクナゲの群生、点々とまさに今割れんとする深紅の蕾がなんとも形容しがたい感動の印象が忘れられなかったのだ。
 しばらく続いた晴天の6月5日朝5時、一人湯沢の元橋を目指した。

  ◆ 平標山の家、立派に新装オープン 

 元橋駐車場には、5台ほどの先着らしい車があった。いつも満杯に近い駐車場も平日のせいか多くはない。静かな花観賞に味方をしてくれたようだ。天候も十分もちそうだ。
 松手山コースを行く予定にしていたが、先だってニュースで”平標山の家”が改築され新装オープンされたとの報道を思い出し、どんな姿に変わったのだろうとひと目見たくなって急きょ平元新道コースをとってトコトコ歩くこととした。新緑がすっかり深まり、鶯やらの鳴き声に耳を傾けながらの登り口までのんびり50分の林道も悪くはなかった。
 平元新道コースは6年ぶりだろうか。唐松の樹林帯は変わりなかったが、登山道がしっかりした階段状に整備されていたことにびっくりした。幸い、ステップが小さく登りやすく工夫されているのでありがたかった。
 1時間で新装成った”平標山の家”に到着した。昔の位置とまったく同じ場所。2棟からなる木造平屋建ても昔と同じ。木の香も匂おわんばかりの出来立ての山小屋に、思わずあがって一休みしたくなりそうだった。缶ビールを二缶買って後にした。



 左 平標山の家 / 右 平標山の家全景 

◆ 絶好の時期、深紅の蕾に魅了される 

 「平標山の家」から平標山頂へはしっかり整備された木製階段をゆっくり行く。ところどころに目指すシャクナゲの蕾が早くも顔を出してきた。今日はきっと期待の可憐な姿が見られそうだ。後方の苗場山の静かな残雪の姿が印象的だ。



 鮮やかな深紅の石楠花の蕾 

 平標山頂を過ぎ仙ノ倉山に向かう途上、今を盛りと立派な山桜が次々と咲き誇っていた。しっとりとしたうすく淡い独特の風合いが何んともいえない。



 仙ノ倉山コース途上にしっとりと咲く山桜 

  山桜、ハクサンイチゲ、ミヤマキンポウゲ、シラネアオイ、そして目指すシャクナゲなどが次々と足元に展開してくれていた。ゆっくりゆっくり、道程を楽しむことができた。



 ↑ハクサンイチゲ / ミヤマキンポウゲ↑ 



 ↑シラネアオイ / イワハゼ↑ 



アズマシャクナゲ 

◆ 静かな平日の、のんびり花旅で暮れる 

 やっぱり来てよかった。平日のこの日は、三つのパーテイに会っただけの静かな山旅だった。あの花、この花とこれからが最盛期となる。好天気のなか、一人のんびり風に吹かれ、デジカメ片手に思う存分納め撮り、仙ノ倉山頂で乾杯して大満足を果たした、そんな一日となった。
 10年ほど前の忘れられないシャクナゲの思い出を再び味わいたいと思って出かけてきたことが、再び実現できうれしかった。松手山コースの帰り道もいろんな花々が待っていてくれ、なかなか先に進めなかった。ありがたく、楽しい花旅の一日であった。



↑イワハゼ(別名アカモノ) / イワナシ↑ 


 ‘07 平標山 ムラサキヤシオツツジ 


(H19.6.20記)

トップページへ戻る

一つ前へ-(39.信濃川河原に一本のブナの木)

 

41.(‘08年 山の追憶-その1)