放射性物質の拡散

柏崎刈羽原発で重大事故が起きた時、放射性物質が拡散す範囲をシミュレーンした結果を示します。

年間被ばく線量と避難区域

3種類の区域は、福島第一原発事故の際に決められた基準に基づいて、下の表のように地上1mにおける被ばく線量で決められています。なお、区域名や区域を設定する基準等は何度も改訂されているため、ここでは比較的初期の区域を用いました。

年間被ばく線量 区域名 取られた措置
1mSvを超え20mSv未満 避難指示解除準備区域 一時帰宅や通過は可能。宿泊は出来ない。事業再開は可能。早期の帰還を目指す。
20mSv以上50mSv未満 居住制限区域 将来的に帰還してコミュニティの再建を目指す。
50mSv以上 帰還困難区域 避難が長期化するため、避難生活や自治体機能の維持に国が責任を持って取り組む。

シミュレーション結果

北西の風による拡散

次の図は2012年05月10日の11時から05月13日11時までの気象データに基づいて、72時間に放出された放射性物質の積算値
を示しています。

この地図から次のようなことがわかります。
①50mSvを越える帰還困難区域は、原発から東方向の長岡ニュータウン付近まで伸びている。一旦途切れた後、長岡市川口付近から始まり魚沼市に入った付近で終わっている。
②20mSv以上50mSv未満の居住制限区域は帰還困難区域の外側を東方向に伸び、長岡市越路地区付近で一旦くびれた後、南北に幅を広げながら魚沼市の守門地区付近を通って更に東に伸びている。
③1mSv以上20mSv未満の避難指示解除準備区域は、上の2つの区域の外側を柏崎市東部、長岡市南部、小千谷市北部から魚沼市のほぼ全域にかかっている。

南西の風による拡散

次の図は2013年08月9日の18時から08月12日18時までの気象データに基づいて、72時間に放出された放射性物質の積算値を示しています。

この地図から次のようなことがわかります。
①50mSvを越える帰還困難区域は、原発から北東方向の刈羽村北部及び柏崎市北部まで伸びている。
②20mSv以上50mSv未満の居住制限区域は帰還困難区域の外側を、柏崎市北部から出雲崎町南部を通って長岡市北部まで伸びている。
③1mSv以上20mSv未満の避難指示解除準備区域は、上の2つの区域の外側を、長岡市北部から見附市北部三条市北部及び燕市南部を通って新潟市西蒲区、南区、加茂市、及び燕市が境を接する付近まで伸びている。

北東の風による拡散

下の図は2011年11月30日の01時から12月03日01時までの気象データに基づいて、72時間に放出された放射性物質の積算値を示しています。

この地図から次のようなことがわかります。

①50mSvを越える帰還困難区域は、原発から南西に海岸線伝いに柏崎市と上越市の境界(柿崎)付近まで伸びている。
②20mSv以上50mSv未満の居住制限区域は帰還困難区域の外側を南西方向に伸び、上越市北部の柿崎付近で一旦終わっている。上越市西部の糸魚川市との境界付近から再び始まり、南に向かって長野県との境界付近まで伸びている。
③1mSv以上20mSv未満の避難指示解除準備区域は上の2つの区域の外側を南西方向に伸び、ほぼ上越市全域糸魚川市東部、更に長野県の北部に伸びている。

まとめ

新潟県は柏崎刈羽原発6号機が重大事故を起こした場合のシミュレーションを実施しました。6号機の出力は、福島第一原発で事故を起こした1~3号機の出力の約半分に相当します。しかし、シミュレーションの結果が示すように、この規模であっても放射性物質による汚染は広範囲に及びます。
放射性物質の拡散は気象条件によって大きく変化し、条件によっては避難区域が一旦途切れた後再び発生する場合も見られます。また、帰還困難区域がUPZを越えている場合も見られます。実際に事故が発生した時は気象条件によって状況が異なるため、ここで行ったシミュレーションはあくまで一例ですが、安全に避難することは非常に難しいことが予想されます。

その他のシミュレーション結果

図中の避難区域の表示

柏崎刈羽原発で重大事故が発生した時、原発から放出された放射性物質がどのように拡散されるかは、風の向きによって大きく変わります。ここではシミュレーションで得られた結果に基づいて、風の向きが変化したときの避難区域をつぎのように示します。

避難区域の表示 格納容器が破損してから72時間の間に受ける実効線量の合計が20mSvを越える区域を赤い斜線で表しています。

(参考資料)
大気拡散シミュレーションを用いた避難の評価については主に次の資料をご覧下さい。
[13]、[19]、[27]


北西の風による拡散

冬は西高東低の気圧配置になることが多いため、日本海側では北西の季節風が強く吹きます。
北西の風が吹くときは放射性物質が原発の東側にある長岡市から魚沼方面に飛来する可能性が高くなります。


気象条件 シミュレーション結果

北西の強い風、降雨なし
平成24年11月9日7時の気象データに基づく。

避難区域は原発から南東方向に伸びて長岡市南西部で一旦途切れる。長岡、小千谷、魚沼3市の境界付近から再び始まり,南北方向に幅を広げながら魚沼市を東方向に横切っている。シミュレーションが100㎞で終わっているためこの先は不明である。


気象条件 シミュレーション結果

北西の強い風、降雨あり
平成24年1月28日22時の気象データに基づく。

避難区域は原発から南東方向に伸びて柏崎市と長岡市の境界を長岡市方向に越えた付近まで伸びている。その先は長岡市南部と小千谷市南部に部分的に実効線量の高い区域が見られる


気象条件 シミュレーション結果

北西の中程度の風、降雨なし
平成25年1月19日16時の気象データに基づく。

避難区域は原発から南東方向約5㎞の地点まで伸び西山山地付近で一旦途切れる。その先は、西山山地を長岡方向に越えた付近から再び始まり、次第に幅を広げながら原発の30㎞圏を越えて魚沼市西部まで続いている。


気象条件 シミュレーション結果

北西の中程度の風、降雨あり
平成24年5月10日11時の気象データに基づく。

避難区域は原発からほぼ東方向に伸び、30km圏の境界を越えて幅を広げながら魚沼市を東方向に横切っている。シミュレーションが100㎞で終わっているため魚沼市の先は不明である。


気象条件 シミュレーション結果く。

北西の弱い風、降雨なし
平成24年6月25日12時の気象データに基づ

避難区域は原発から南東方向に伸び、長岡市南部を横切って小千谷市中心部付近まで続いている。


気象条件 シミュレーション結果く。

北西の弱い風、降雨あり
平成25年8月1日21時の気象データに基づく。

避難区域は原発から東方向に伸びて長岡市南部を横切り、小千谷市に入ったところから南北方向に幅を広げて魚沼市を東方向に横切っている。シミュレーションが100kmで終わっているためその先は不明である。


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北東の風による拡散

日本海側に高気圧があるときには北東の風が吹きます。
このときは放射性物質が原発の南西方向に拡散するので、上越市方面に飛来する可能性が高くなります。

気象条件

北東の強い風
平成23年5月30日0時の気象データに基づく。

結果 避難区域は原発から南西方向に海岸線に沿って伸びており、柏崎市と上越市の境界を越えて30km圏の境界近くに達している。

気象条件

北東の中程度の風
平成23年11月30日1時の気象データに基づく。

結果 避難区域は原発から南西方向に柏崎市と上越市の境界付近まで伸びた後一旦途切れる。上越市の西部から再び始まり、幅を広げながら南方向に伸びて長野県との境界を長野側に少し越えた付近に達している。

気象条件 シミュレーション結果

北東の弱い風
平成25年3月29日6時の気象データに基づく。

避難区域は原発から南西方向に海岸線に沿って伸び、30km圏を越えて上越市と糸魚川市の境界付近に達している


南西の風による拡散

日本海側に低気圧があるときには南西の風が吹きます。
この時は原発の北東にある三条市や燕市、新潟市等に放射性物質が飛来する可能性が高くなります。

気象条件

南西の強い風
平成24年3月25日7時の気象データに基づく。

結果 避難区域は原発から北東方向に伸びて与板付近で一旦途切れる。見附市北部と長岡市との境界に近い30km圏境界付近に実効線量の高い区域が見られる。30km圏外の三条市と加茂市の境界付近から再び避難区域が始まり加茂市と田上町の境界付近まで伸びてている。

気象条件

南西の中程度の風
平成23年6月21日20時の気象データに基づく。

結果 避難区域は原発から北東方向30㎞、長岡市と燕市の境界付近まで伸びている。

気象条件

南西の弱い風
平成23年8月9日19時の気象データに基づく。

結果 避難区域は原発から北東方向に伸びて与板付近に達している。